生命保険の営業員は日本に何人いる?

減少傾向の営業職員数を尻目に、代理店使用人数が急増

生命保険の募集(営業)は、保険業法に基づいて登録した人(生命保険募集人)だけが行なえる。生命保険募集人には、営業職員や募集代理店(法人・個人)、募集代理店の役員・使用人などが該当するが、いずれも規定の教育を受けて試験に合格し、登録をしなければ保険を売れないしくみになっている。

保険契約はコンビニやスーパーなどで売っている商品とは違い、目に見えない、信頼関係に基づく契約であるため、誰でも販売できるシロモノではないのだ。無登録で募集行為を行なった場合には刑事罰の対象となり、一年以下の懲役かI 〇〇万円以下の罰金、またはこれらを併科されることになるので気をつけよう。

直近のデータによると、生命保険募集人の登録をしている営業職員の数は二六万七九九二名(二〇〇三年度末現在)。これは前年度(二八万四〇四七名)比九四・三%に相当する。生命保険協会発行「二〇〇四年版 生命保険の動向」によると、一九九六年度以降、登録営業職員数は減少を続けており、一九九六年度(三八万九八七五名)から二〇〇三年度(二六万七九九二名)までの八年間に、三分の二相当の規模に縮小している。

一方、生命保険会社と委託関係にある募集代理店に関しては、代理店使用人数が爆発的に増えている。飛躍的に伸びたのは二〇〇二年度末で、前年度の約二・三倍の六九万三四四一名となり、登録営業職員数を大きく逆転。翌年度の二〇〇三年度末に関しても、前年度比のI 〇二・九% に相当する七一万三五四二名に増加したのだ。

これは、二〇〇二年十月に、銀行窓販で販売できる保険商品のラインナップが拡大し、個人年金保険などが取り扱えるようになったことが影響している。銀行が生命保険の法人代理店となり、たくさんの銀行員を生命保険募集人として登録したからだ。銀行員による登録は二〇〇四年一月眄点てすでに四〇万人以上にのぼっており、全生保の登録営業職員数を大きく上回っている。二〇〇五年五月末時点で銀行が取り扱える生保商品は個人年金保険、信用生命保険、財形保険に限られているが、金融庁は二〇〇七年四月には全面解禁したい意向をみせている。これに生保業界は反発を強めており、今後の進展が注目である。

多様化する販売チャネルの対応が分かれ目に

生命保険商品の募集・販売といえば、生命保険会社の全国にある支社等のもとに配置した営業機関に属する営業職員(生保レディーなど)による募集活動が中心だが、最近では販売チャネルの多様化が進んでいる。具体的には次の通りだ。

  • ① 損害保険代理店による生保販売(損保顧客に対する生保販売)
  • ② 証券会社や銀行などによる窓口保険販売(他の金融機関顧客に対する生保販売)
  • ③ 複数の保険会社の商品を取り扱う乗合代理店による販売
  • ④ 保険ブローカーによる保険提案
  • ⑤ 紹介代理店との提携による販売(紹介代理店とは顧客に対する勧誘は行わす、加入見込客 の紹介のみを行なう人・企業のこと。紹介代理店には登録なしでなれる)
  • ⑥ アレビやインターネットなどを利用した通信販売

以上のように販売チャネルに広がりをみせているものの、現状では営業職員による契約が圧倒的に多い。しかし、銀行の窓口販売による変額年金保険の急成長など、保険の市場構造に変化が見え始めている。この販売チャネルの多様化と消費者ニーズの変化に柔軟に対応できるか否かが、保険会社の生き残りの鍵になりそうだ。