ディスクロージャー誌が発行されるのはいつ?

ディスクロージャー誌は(経営内容を公開した冊子〉

ディスクロージャー誌とは企業の経営内容を公開した冊子のことである。その会社がどのような事業を行なっているか、経営内容や財務内容はどうなっているか、どんな商品を取り扱っているか… …などの企業活動全般を判断できる情報が掲載されている。ディスクロージャーは保険業法第一 一一条により全生保に発行が義務付けられており、決算(毎年三月末)後で、おおむね八月頃に、契約者や消費者などに広く情報発信されているのである。

冊子の名称は保険会社により異なるが、「○ △ 生命の現状」とか「○年度決算のお知らせ」などと呼ばれているものが多い。業績の概略をまとめた小冊子を契約者に発送している保険会社もあるが、正式なディスクロージャー誌は生命保険会社の本社・支社・支部・営業所。事務所、生命保険協会(本部)、全国五三ヵ所の生命保険協会相談所・地方連絡所、全国の消費生活センターなどで閲覧できるようになっている。

また、ディスクロージャー誌の情報は各保険会社のホームページ上にもアップされるし、財務内容などの一部の決算情報であれば、生命保険協会ホームページにアクセスするだけで、全生保の情報を確認できるようにもなっている。インターネットユーザーであれば、自宅にいなからにして生命保険会社の経営内容をチェックできるのである。

保険会社の経営内容を知る五つのポイントとは

ディスクロージャー誌で経営内容を判断するには、次に挙げる五つのポイントをチェックしよう。

【1 】保有契約高の伸び率

【2 】新規契約高の伸び率

「保有契約高」と「新規契約高」は、保険商品の売り上げを示す重要なデータの一つである。保有契約高とは個々の契約に対して生命保険会社が保障する合計金額のことで、新契約高は事業年度(通常四月一日から翌三月三一日までの一年間)において新たに契約した保璋金額の合計額のことである。個人保険における保障金額とは死亡時に支払われる保険金額等のことであり、個人年金保険では年金支払開始前契約の年金支払開始時における年金原資と、年金支払開始後の契約の責任準備金を合計した金額のことである。

これらの数値が大きく減り続けている保険会社は、顧客離れが深刻な状態に陥っている可能性が高いということがわかる。とはいえ、保険業界全体として、長引く超低金利と少于咼齢化などにより、保有契約高および新規契約高は減少傾向にある。若干の減りは問題にすることはないが、複数年度にかけて大幅に減少している場合は、その保険会社の主力商品が死亡保険から医療保険に移行しているなどの経営戦略に動きはないかということも併せて確認するとよいだろう。個人保険の保有契約高は死亡時の支払い保険金額で示されているので、死亡保険金額の少ない医療保険などの販売を強化したことが原因で大幅に減少している可能性もあるからだ。このようなときは、「保険料等収入」や「基礎利益」などと併せて判断しよう。

【3 】ソルベンシー・マージン比率

ソルベンシー・マージン比率とは、大災害や株の大暴落など、通常の予測を超えて発生するリスクに対応できる「保険金支払い余力」があるかとうかを判断するための指標の一つである。数値が大きければ大きいほど健全性が高いといわれている。なお、設立まもない会社はこの比率が高くなる傾向がある。設立年度は必ず確認しよう。

【4 】不良債権比率

生命保険会社は、契約者から集めた保険料を国債などで運用しているが、その一つに企業などへの貸付かおる。融資することによって、利息収入を得るためだ。しかし、貸したお金が必ずしも返ってくるとは限らない。融資先の企業が破たんして回収不可能になってしまうこともあるからである。不良債権とは、貸付金などの債権のうち、元本または利息の回収に懸念がある債権のことをいう。保険会社が保有する債権のなかで不良債権が占める割合が大きくなればなるほど、保険会社の健全性を維持する上で大きな問題を抱えることになる。不良債権比率は小さければ小さいほど安心なのだ。不良債権比率は、ディスクロージャー誌に掲載されている「リスク管理債権の状況」と「債務者区分による債権の状況」を見て判断することになる(いずれも直近三年度分のデータが記載されている)。不良債権比率が確実に減っているかどうかに注目しよう。

【5】基礎利益

基礎利益とは、一年間の保険本業の収益力を示す指標の一つで、「経常収益13 」から有価証券売却益などの「キャピタル損益」と「臨時損益」を差し引いたもののことである。経常収益は逆ザヤ※6 を吸収してもなお残るフロー収益のことだ。基礎利益が高いほど収益力が高いと見ることができる。